感想
サイコパスの特徴から対応策まで分かりやすくかかれていてとても興味深い一冊
目次
第一章 私がであったサイコパス
第二章 サイコパスとはどのような人々か
第三章 マイルド·サイコパス
第四章 人はなぜサイコパスになるのか
第五章 サイコパスは治るのか
第六章 サイコパスとわれわれの社会
サイコパスの4つの因子
①対人因子
- 表面的な魅力
- 尊大性
- 虚偽性
②感情因子
- 後悔の念の欠如
- 共感性の欠如
- 責任感の欠如
④生活様式因子
- 衝動性
- 行動の統制の欠如
- 目標の欠如
- 無責任性
⑤反社会性因子
- 少年非行
- 成人してからの社会的行動
※サイコパスはこれら4つの因子をもっているが、それぞれの因子の強さには強弱がある。
マイルド▪サイコパスとは
犯罪になるほどでもない強い粗暴性や攻撃性をもたないサイコパス。
日本には100万人あまりのサイコパスがいると言われているが、もっとも多く、そして私たちの身近にいる存在。
サイコパス特有の粗暴性や攻撃性は、ハラスメントやクレーマーとなって表出されている。
サイコパスは悪人か?
サイコパスの特性をうまく生かせれば社会で成功したり、活躍することも可能。
例えば...
- 患者に余計な感情移入をせず、難しい手術を冷静に成功させる外科医
- 市場が大混乱に陥って、誰もがパニック状態になるなかで、氷のように冷静に的確な判断を下し、利益をあげるヘッジファンド·マネージャーなど。
サイコパスの中には、その勇気や功績が称賛され、尊敬を集める指導者やヒーローもいることだろう
サイコパスの目的
相手を支配下に置くこと。人間関係は勝つか負けるかのゲームでしかない。他者を貶めて支配することによって、自分の力を感じたり、相手からの所有物や金銭、時には命さえ奪ったりすることに喜びを感じている。
サイコパス傾向の高い者との付き合い方
- むやみに近寄らない
- 表面的な言葉を鵜呑みにしない
- 会う必要があるときは、一人ではなく複数で会うようにする
- 自分の個人的なことは話さない
- 本人の経歴については、客観的証拠をもとに判断する。
- 組織や企業では、重要な意思決定ができるポジションにはつかせず、個人情報やセキュリティを扱う部署に配置しない
まとめ
われわれは、サイコパスを必要以上に恐れ、排除し、悪魔のレッテルを貼るのではなく、刑罰、治療、予防などによる対処はそれぞれに重要ではあるけれども、究極のところでは、その存在と共にあり続けることが必然なのだ。
サイコパスは、神の見えざる手によって創り出された存在、一つの個性として、ときどきによってその恩恵に浴したり、害を与えられたりしながら、これまでも、そしてこれからも共存してゆくしかないのだと言えるのだろう。